スイングとはブランコ。つまり振り子の動き。ほとんどの方のゴルフスイングはHIT。
海外が発祥のスポーツは語源を辿ると正解に行き着いたりすることも多く、ゴルフで言えば「スイング(SWING)」つまり語源の「ブランコ」で考えてみると動きが理解できてきます。
通常ゴルフを始めた場合に一番多いパターンと言えるのが、野球の発想からゴルフをスタートすると「打つ」「叩く」というイメージでのスタートになります。
これを英語で表すと「HIT」になり、もしこの動きが正しいのであれば「ゴルフスイング」ではなく「ゴルフヒッティング」とでも呼ばれていたのではないでしょうか?
地面にある物に対して「打つ」「叩く」というイメージだと、どうしても上から左回りという動きになりがちですが、「スイング」で打つとなると下から拾うといったイメージに変わります。
つまり「打つ=ヒット」のイメージのままで練習を続けても、本来のゴルフスイングの動き、ゴルフクラブの設計とかけ離れた動きで練習する事になるので、なかなか上達が難しくなってしまいます。
まあ、それでもこの動きを数十年も続けていれば、慣れによってこのフォームを習得し、ある程度のスコアを出せる様にはなりますが…。
SWINGとHIT。この違いで「横振り」と「縦振り」のイメージに分かれます
【横振りのイメージ】
特に高くティーアップしたドライバーショットで顕著になるのですが、野球のイメージで横振りすると「打つ」イメージが強くなり左回りのスイングになりがちです。
横に振りながら手を返していくスイングです。
その結果、シャフトのしなりと遠心力でフェースが開きやすく、手を返してしっかりと捕まればフック、タイミングが遅れるとスライスしやすくなります。
また、最初からボールが捕まらない事を前提としてスタートするので、より捕まらなくなる気がして体を開いて打つことができなくなります。
それを無理に捕まえようとすると今度は手を返して捕まえるという発想になってしまいます。
その結果、こんどはフックに悩まされるようになります。
【縦振りのイメージ】
それに対してスイングするという事は、右回り(下回り)で下から拾うようにアッパー軌道で振るイメージになります。
ブランコの振り子の軌道上、ドライバーであれば最下点の少し前(椅子が少し上昇し始める位置)に固定した大きめのバランスボールに対して、ブランコの椅子をぶつけてインパクトするイメージです。
アイアンショットであれば、最下点直前くらいにバランスボールが置いてある感じになります。
ドライバーは横振り、アイアンは縦振りなどとも言われますが、どっちも縦振りです。
さらにドライバーとアイアンのスイングは違う!なんて言われると余計にややこしくなってきます。
しかし基本的にはボール位置が違うだけでスイングそのものは同じです。
シャフトが長くなるので感覚として横振りになっている気がするだけです。
ドライバーはブランコで言えばフレームと椅子をつないでいる鎖やロープが長くなっているだけなのですが、ドライバーのスイングでは前傾角度が立ってくるため軌道がより斜めになり、どうしても横に振っているように感じてしまいます。
ゴルフスイングにおいては、「パッティング」がほぼ真上からの振り子で通常のブランコの設置状況に一番近く、ドライバーに向けてどんどんブランコのベースフレームが斜めになっていくイメージです。
そしてブランコの鎖の部分が、鎖ではなく真っ直ぐな鉄の棒だと思ってもらえば分かりやすいかと思います。
そして角度は違えど、どのクラブも手の下を通ってインパクトに向かって行きます。
つまりドライバーショットの時に横に感じてくる様な角度になっても、クラブは必ず手の下を通る事になります。
トップオブスイングの位置ではクラブヘッドは高くなっているじゃないか?と思われるかとは思いますが、確かにトップでの静止画で見れば手よりも高くなっていますし、実際に高いです。
でもこれはブランコで言えば、思いっきり加速して上昇した椅子がベースフレームよりも高くなった状態です。
体操の鉄棒で言えば、大車輪に入る手前くらいの位置から鉄棒を越えて回転せずに元の方向に戻った状態という事ですね。
そこまでのプロセスとして、いきなり真上に急上昇してその位置まで行ったのではなく、下から振り子の加速で上がっていったという事です。
ゴルフスイングにおいて、腕の筋力を使って作ったトップは、ブランコで言えば椅子を手で持ち上げて高い位置まで持って行った感じです。
確かにトップでの静止画としてみれば、椅子の位置は同じに見えるとも言えます。
しかし椅子を自分で持ち上げたアバウトな位置から手を放してスイングする事になるので、その位置が正しければスムーズに椅子は弧を描いて降りてきますが、正しくなければグラグラと安定しない状態で降りてきます。
これが俗に言う「手打ち」と言われている状態で、自分で作ったトップは、下から遠心力で作った振り子と違い、そこが本当に正しい位置なのかどうかが分からないのです。
長い年月練習した人にとっては、体の感覚としてトップの位置を把握しているので、大体正確な位置に近いところに上げられる様になっていますが、それでも毎回完全に正解とは言えないという事ですね。
これが下から振り子で上がったトップは、コンパスの様に必ず同じ軌道を描きます。
このコンパスの動きを損なわない為にも、両腕と両手首が安定して使える「きのこロック」の状態が必要になるのです。
フォームは人によって若干の違いはありますが、ヘッドを動かす考え方は一緒
クラブヘッドをスイングさせる為に一番スピードを上げる為の体の使い方は人によって違います。
ブランコを例にすると、下半身の使い方は「立ち乗り」でスイングアークを大きくする時の動きに近くなります。
ブランコを加速させる時には、トップ位置で少し「※抜重(ばつじゅう)」させてから、踏み込んで加速するはずです。
※「抜重(ばつじゅう)」体やクラブなどの道具の荷重を一瞬抜いて消す体の使い方。
その動きを利用してショットします。
つまり、インパクトに向かってしゃがみ込んでいく感覚になります。
ボールに圧を掛けていく感覚です。
通常ゴルフスイングは体が起きたりして伸び上がる事によるミスが多いのですが、ブランコの動きを使ったスイングでは逆に地面に近づいていく感覚になるので、そもそも伸び上がりという概念が無くなります。
最大限にしゃがみ込んだ位置でインパクトしながら、その反動による地面反力を使ってさらにパワーを加えます。
まずは「100切り」を目指すのであれば、とにかくHITしない事。
まずはしっかりと下半身を使ったスイングを心掛けて、自分の意志でクラブヘッドやフェース面をボールに当てにいく意識を持たない事ですね。
「打つ」「叩く」「当てに行く」意識が加わると、自然とグリップに力が入って振り子の動きに制限が掛かりますし、どうしても左回りで上から打ち込む意識になるからです。
また左回りで打つとインパクトが「点」になるので安定しませんし、フェース面もスクエアになっている時間が短いのでスライスもフックも両方出るスイングになります。
その点「振り子」の右回り(下回り)スイングは、インパクトがゾーン(線)になり、フェース面も急激に開閉しないことからボールが大きく散らからず、安定感が抜群になります。
なので、これからゴルフを始める人や、これから一時的にスコアが悪くなっても本気でスイング改造に取り組もうと思っている人は、右回り(下回り)で、しっかりとしたスイングで打てる様に練習すると良いでしょう。