スコア90切りには、確実なボギーオンが必要
「スコア90切り」には絶対にボギーオンしなければならないと思った筆者は、残り60ydくらいからは必要以上にボールを浮かせずに転がしてグリーンオンさせる練習に明け暮れました。
そして行き着いたのが8番アイアン〜50°のアプローチウェッジ(AW)の「ヒールを浮かして、フェースはやや被せて転がす」というもの。
ヒールを浮かせて構える事でつま先下がりの条件と同じになる為、そのまま打てば基本的にボールは捕まらずに右に抜けます。
その分フェース面を被せて相殺させます。
その丁度相殺される角度が決まったら、パターの様に払う様に打って転がしていきます。
利点としては、ヒールが浮いてトウの先しか接地していない為、ザックリが激減します。
またヒールを浮かす事によってほぼ芯にヒットする事が無くなる為、飛び過ぎてグリーンオーバーや奥からの下りのパットも激減します。
ミスはほぼ手前に止まるのでロングパットが残りますが、仮に少しミスったとしてもツーパットでさえ決めればボギーで凌ぐ事ができます。
落としどころまでの距離感
パターの様に払って転がすと言っても、パターよりは遥かにロフトがある為にボールは数ヤード浮いてから転がる事になります。
そして、その浮いて落ちる位置が最も重要になってきます。
例えばグリーンまで3mの位置のラフにボールがあったとします。
花道じゃないのでボールからグリーンまでパターで転がそうとしても、ラフに食われてグリーンまではなかなか転がりません。
そこで最初に少しだけ浮くランニングアプローチが効いてきます。
先ほどのシチュエーションで、グリーンエッジからピンまでは12mだとします。
つまり「ボールからグリーンエッジまで3m」+「グリーンエッジからピンまで12m」=合計15mという事になります。
この距離を「浮かして落とす位置までの距離」と「落としてから転がる距離」に分けて考えていきます。
自分の距離感の目安ですが、ラフ部分をキャリーで超えて直接グリーンに落ちる場合
AW(アプローチウェッジ50°)で「1:1」つまり「7.5mキャリー:7.5mのラン」と読みます。
9番アイアンでは「1:2」 で「5mのキャリー:10mのラン」
8番アイアンでは「1:3」になり「おおよそ3mのキャリー:12mのラン」
と読んで行きます。
この間隔のまま、7番アイアンなら「1:4」6番アイアンなら「1:5」という感じで、6番くらいまでは使えます。
例)赤文字の5m:10m=1:2が9番アイアン使用時の落とす位置と、落ちた位置からピンまでランで転がる距離感のイメージ。
これを応用する事で、アプローチウェッジの「1:1」でも狙えそうな距離だけれど、強めの上りだからあえて9番を使って「1:1弱」くらいに落とそうかな?とか、グリーンまで少しラフの距離があって、ファーストバウンドは直接グリーンじゃなくてラフになりそうだから、ラフを抜ける為の強いランを期待して一番手を上げるか?など、慣れてくると色んな調整が可能になります。
空中に浮かすキャリー部分の打ち分けが一番難しいので、できるだけ落とす地点は自分から近い方が簡単になります。
なのでAWで7.5mもキャリーで打つより、8番アイアンで3m地点に落とす方がスイングも小さくなってずっと簡単になるという事です。
これによってボールからグリーンエッジまで2m、グリーンエッジからピンまで2mの様なシチュエーションでは、AWで丁度中央の距離のエッジまで浮かせて「1:1」でチップインを狙える確率がグッと上がります。
仮に入らなくてもタップインやOKをもらえる位置に付く確率も非常に高くなります。
これを身に付けてから、無理にグリーンオンさせなくても良いと思える様になり、その分スイングの力が抜けて逆にグリーンオンしたり、乗らなくてもチップインから狙っていける感じになりました。
ただやはり、90の壁というものは非常に高く、「スコア90」を切れそうで切れないというラウンドが続く事になります。