ゴルフクラブも手に入れたので練習場へ
ゴルフクラブを譲り受れば、それじゃあゴルフ練習場へでも行ってみようかな?と思い立つものです。
すると色んな人が一緒に行こう!と言ってくれ(へぇ、ゴルフ仲間って熱いのね!)とか思わされ…。
ずっと遡ること数十年前、20代前半くらいの早くにゴルフ始めた友人達に連れられてゴルフ練習場へ行き、ほんの少し遊びでは打った事はあったけれど、しっかりとした練習としてやるのはこれが初めてでした。
最初は先輩方に連れられて練習場に行きました。
まだYouTubeなどにしっかりとしたコンテンツも揃っていなかった頃なので、当時は誰もが雑誌に載っている内容を自分なりに解釈して独学でやっている人がほとんどだったので、グリップの持ち方だったり、テイクバックの仕方、切り返しなどを論理的にきちんと説明できる人は皆無でした。
何事にも、やるからにはしっかりと理論を説明され、納得した状態で始めたいタイプの自分としては少し物足りない感じ…。
で、実際に言われるがままにボールを打ち始めると、どう打ってもボールはスライスして右にしか飛ばない。これを右に行かない様にするには…という理論を納得できる説明をしてくれる人は誰一人として居ませんでした。
中には「手を返して打つ」という人もいましたが、「手は使わない」「右手は添えてるだけ」「手はグリップをやさしく持っているだけ」という声も多い事から、手は使わないのに手を返すのか?
一体どういう事だ??
人に質問をして話しを聞けば聞くほど意味が分からなくなってきます。
そこから色んな人達と代わる代わる練習場に行ったものの、誰と行っても納得する回答が返ってくる事は無く…。
尚の事、右打ちでクラブを振るというその動き自体、元々左打ちの自分にとって違和感の塊でしたからもう意味分からないにもほどがある!ってなくらいに本気で意味が分からず。
単純にクラブヘッドをボールに当てようとすると、どうしても左回りで上からカットに振って当てに行ってしまう事になります。
地面にあるボールを手に持った道具で打とうとすれば、普通に考えるとクワやツルハシの様に「振り上げる」「振り下ろす」という動きで打つイメージしか沸かない事から、当然の如くフェースが開かない様にグリップを強めに握り、握力でヘッドが回転しない様に固定しながらカット軌道で上から当てるしか無くなります。
そうやって打ち続けていると、打つ度にずっと芯を外すので、インパクトの瞬間に衝撃で毎回フェースが開こうとします。
それを無理矢理に握力で抑え込んでいるものですから、今度は手のひらのマメが潰れて出血までしてきます。
すると、また見ている人達から
「力み過ぎ!右手はもっと軽く添えるだけ。」
とか
「もっと手は使わずに体を回す。」
だとか難解な事ばかり言われます。
一応その通りにしてみるものの、軽く握ればフェースはさらに開きまくるし、強く握っている時よりもっとスライスが酷くなっていきます。
言われた通りにすればするほど下手になっていくのを感じながら、結局本当のクラブの使い方ってどうなんですか?と色んな人に聞いてみても、明確な答えらしい答えが返って来ずに、そのうち
「とにかく練習あるのみ。」
「トラック1杯分のボールを打たなければゴルフは分からない。」
とかの精神論っぽい感じになってきて、最終的には質問されるのを嫌って、
「最初はレッスンに通った方が良いよ!」
と言われるようになり、半強制的に1クール(6回分)だけレッスンに通わされる事になりました。
お試しでレッスンへ
そんな訳でゴルフの真相を教えてもらうべく、恐る恐るレッスンに顔を出してみる事にしました。
レッスンは皆自由にタバコを吸ったり、お茶飲んで談笑したりしながら練習しています。
学生の頃は割とガッチリな運動部だったので、このサークル的な緩々の感じでスポーツの練習をするのは少し抵抗があったものの、取り敢えずレッスン開始です。
今思うと、いきなり
「最近の一番正しいと言われているグリップはこうです。」
とバタフライグリップで握らされて、自分の席が2階だった事もあって、その違和感たっぷりの握り方でクラブが飛んで行かない様に必死にグリップを握っていた気がします。
今の知識で考えれば、バタフライグリップはフック防止的なグリップなので、スライス天国だったこの頃では時期尚早にもほどがあるだろう!って思いますけどね。
最初の5分くらいでグリップを教えられ、テイクバックからトップの位置を説明されるものの、何故にそこなのか?という事を言われないまま、腕とクラブを押さえたまま持ち上げられて移動され
「トップはここです!」
とか言われ、空中というこんなにオープンな空間の、しかもどの角度にでも自由に上げる事のできるニュートラルな状態での「ここ」って?「どこ?」と疑問を持ちましたが、流石に初めてなので質問する事もできず。
後は今日はこれを繰り返し練習してて…と先生は他の人達のレッスンに行き、その日は自分のところに戻ってくる事はありませんでした。
結局のところ、いくら本人がプレーヤーとして上手くできても、教える技術っていうのはまた別物なんだろうな…と非常に感じさせられるレッスンでした。
しかも、これで続けたら本当に上手くなるのか?という疑問も沸々と沸いてきて…。
どうにも説明が長嶋茂雄的というか…。
長嶋さんも監督時代に、選手達に打撃の説明をする際
「ビュッ!と来たら、バッ!」
みたいな感じだったらしく、感覚表現では人には伝わらないと。
そんなこんなでお試し価格で買ったとは言え、6回分のチケットは消費しなければ勿体ないという理由で仕方なく6回は通ったものの、このまま継続するかを非常に悩み、そこで少し顔見知りになった人に
「あの〜、このレッスンに通っている人達って何年くらい通っていて、今どれくらいのスコアで回るんですか?」
と聞いてみたところ
「大体みんな1~3年くらい通っていて上手い人は100を切る人もいるよ!」
と言われ、そんなに通ってその程度なのか?と思い、それでレッスンを続けない事を固く決心し、先生にも継続しない旨を伝えました。
その後もそのレッスンをしている練習場が、筆者の家から一番近い練習場だという事もあり、個人的にそこの練習場へ通っていて、そこでレッスン中の先生と会うと気まずい面もあったけれど、徐々に別の練習場へ通う様になり、次第に会う事も無くなりました。
そのうち、先生はその練習場からいなくなってしまった様です。
それを聞いた時に、まぁ、あれじゃあ…という感じは否めませんでしたが…。
と聞いてみたところ
「大体みんな1~3年くらい通っていて上手い人は100を切る人もいるよ!」
と言われ、そんなに通ってその程度なのか?と思い、それでレッスンを続けない事を固く決心し、先生にも継続しない旨を伝えました。
それと同時に本当のゴルフスイングを求めてスイング探しの旅に出ようと決心したものの、ゴルフというものは人によって「理論」「道具論」も違う上に、個人的な「持論」まで入ってくるので、一体誰の話しを、どの理論を信じれば本当の正解に辿りつけるのかあまりにも分からな過ぎました。
一つ気づいていたのは、最初に進む道を見誤ると、間違いの道に進んでしまうという事でしたが、それを選択する知識も技量も無い自分がどうやってそれらを選別できるのだろう?という事。
そしてここからの数年間、試行錯誤の連続によって苦悩の連続が始まる事をこの時はまだ知る由もなかったのであります。