PING史上最も簡単とも言われたG MAXアイアン
PING G MAXアイアンはG30アイアンの後継モデルというよりはG20アイアンの後継モデルの様なポジションでした。
そう考えるとG20→G25というよりは、G20→G MAXが正統進化でG25は新コンセプトで設計された様なイメージです。
PING G20アイアンは実際に使った事は無いのですが、易しさを前面に押し出したアイアンとは言え、デザイン至上主義ではない筆者から見ても、巨大で分厚く、ボッテリとしていて贔屓目に見てもカッコいいとは呼べないアイアンではありました。
しかしG20アイアンは実際に使うと謳い文句通りにとにかく易しいモデルとの評判で、その進化版らしいと聞き興味を持って購入したのがG MAXアイアンでした。
ギアに関して基本中古主義のワタクシは色々と物色した挙句、その当時マイブームだったダイナミックゴールドの挿さった物を発見して5-Pで購入。
後から4番アイアンを追加しましたが、この番手だけシャフトはモーダス3-105(S)でした。
当時はあまりギアに詳しくなかった事もあり、長い番手は軽くした方がやさしいと思ったのですが、後に大きな間違いである事に気づきます。
モーダス3-105は軽いのは確かですが、振動数が高くてピンピンした割と手強いというか筆者とは相性の悪いシャフトだったのです。
実際に現物が届いてみると、ヘッドはあまりにも巨大で、ソール幅はアイアンというよりもユーティリティ、そこに刻印されているこれまた巨大な番手表示の数字、またGアイアンのバックフェースにも搭載されるフェースの大きなたわみを生み出す「コア・アイ・テクノロジー」も、Gアイアンではさりげなく搭載されている様に見えますが、こちらはバッチリ主張してくるデザイン。
もう完全に「スコアが出れば文句ないでしょ!」って言われているような割り切り感に、思わず苦笑してしまったほどです。
実際に打ってみると
フェースの弾き感はコア・アイ・テクノロジーの効果もあってか、見た目同様にユーティリティ並み。
「チュピン!!」
という、必殺仕事人の効果音の様な音でボールがぶっ飛んでいきます。
球離れは早く、巨大なフェースの返りは極めてゆっくりなので、最初は右へのプッシュアウト気味の球が出やすいです。
なので、あまりテイクバックでフェースを開かずにシャット気味に使っていく事でストレート弾道が出やすくなります。
ソールも広くてダフリには強いので、無理に打ち込まずにサッと払い打ちするくらいで十分な高さの球が打てます。
また、フェースの弾きが強いので基本的にロースピン気味のボールが出やすく、ロースピン故に飛距離もクラシカルロフトのアイアンに比べたら1番手くらいは伸びます。
それでもかなりの低重心設計によって高さは十分に出ますから、スピンが少なくても通常のグリーンであれば十分に止める事は可能です。
スピンでキュキュッと止めるというより、高さでトントンッという感じで止めるイメージです。
正直PING G MAXアイアンは使っていて面白味を感じることは皆無でした。
やさしいクラブの恩恵を受けながら淡々とホールをクリアしていくと、いつの間にか良いスコアで終わっているみたいなクラブです。
ちょっとしたミスはある程度カバーしてくれます。また超巨大なヘッドでしかも球離れがかなり早いので、操作性など皆無というか曲げようなんて気も起きません。
その代わり直進性は非常に高いです。
息子達がゴルフを始める事が分かっていたら売らずに取っておいたかもしれませんが、あまり使わなくなったので売ってしまったモデルです。
前述した様に面白さがまるで無いクラブでしたが、使っていた頃の平均スコアは割と良かったですね。
いくらスコアが良くてもその道具を使わなくなってしまったりするのもゴルフの奥の深いところなのかもしれません。
スコア至上主義の方で、見た目は何も気にしないという方は一度使ってみる価値はあるクラブです。
オートマチックにスコアが作れますし、特に現在「100切り」を目標としている方などには最適、最良なクラブだと思います。