自然落下は究極の再現性
編重心の道具を使うゴルフは、何度も同じ軌道を再現するのが著しく難しいスポーツです。
なので筋力を使って能動的に動かしてしまうと同じ軌道を辿って戻すのはほぼ不可能になります。
筋力を使ってクラブを動かした場合、上下左右360°どの位置にでも振り上げる事が可能になるからです。
それでは限りなく再現性の高いスイングをするには何を使えば良いか?
それは「不変」なものを利用する事になります。
体のパーツで言えば「骨」つまり関節になります。
肘から手首や、肘から肩など絶対に長さが変わらないものを利用する事になります。
また重力の様に常に均等に引っ張る力が発生しているものなども利用に値します。
これらを使ってスイングする事によってかなり再現性が高いスイングが可能になります。
左一軸で軸を固定して、不変なものを利用しての自然落下。
再現性を高める為の一つとして軸の固定があります。
体重と軸を左右に揺さぶってしまっては軌道を安定させるのが難しくなるからです。
先ずは左に70%以上乗ったアドレスを取り、そのアドレスした際の手の位置を変えない意識で軽く左膝を曲げます。
すると自然に骨盤が回転して右腰が少し切れ上がっていきます。
手の位置はアドレスの位置から変えないイメージですが、力を入れてアドレスの位置をキープするのではなく、手首を柔らかくして持っている事によって、骨盤の回転が回り切って止まった瞬間に自然に手首にコックが入りながらクラブヘッドはインサイドに跳ね上がります。
当然の事ながらアドレス時の位置を変えていないイメージの手も、遠心力で多少持ち上がります。
この時の形ですが、以前に紹介したローリー・マキロイの腕の形になるのが理想形です。
Youtube「Rory Mcilroy Backswing Drills On The Range」からお借りしました。
ドリル的にちょっと極端にやっている様に見えますが、あくまでもインサイドに跳ね上がるのはヘッドだけで、手は前方にあるままのイメージになります。
両手も一緒にインサイドに入って、ヘッドと一緒にインサイドから出てくると「シャンク」する原因になります。
クラブヘッドの軌道と手の軌道は反対になるくらいで正解なのです。
一緒の軌道をなぞると高確率でミスショットの原因になります。
そのままクラブヘッドを重力に任せて落とす。
インサイドに跳ね上がったクラブヘッドを後は重力に任せて「ポトンッ」と落とすだけで十分に打てます。
これだけでも全力で振って芯を食った時の80%くらいは十分に飛距離も出ます。
全力で振って芯を食わなかった場合は、この落としただけのスイング以下の飛距離になる可能性も高いですし、おまけに曲がります。
とにかく自分のイメージとしてはコックをほどいて両手の下に落下させるだけ。
これによって自然に腕とクラブがひっくり返り、理想のモーノーマンのスイングのフォームになります。
コックをほどくとフリップする様な気がしますが、フリップというのはあくまでも「ビンタ」する方向へほどける事を言います。
右手の手首が甲側に折れたままインサイドから縦にほどいた場合はフリップにはなりません。
つまり「サムダウン」と言われる親指が上から下向きになる様にほどくのです。
「ビンタ」の様な左右へのほどき方では、親指はずっと上を向いたままになるのが違いですね。
慣れるまではどうしても切り返しからダウンスイングに入る段階で手に力を込めてしまうので、ヘッドだけを落とすのが意外にも難しいのですが、いかにここからヘッドだけを自然落下させられるかが練習になります。
きれいにクラブヘッドが落ちれば、かなりの遠心力が生み出されて、そのままクルッと体が引っ張られる様に回って自然にフィニッシュまでいくほどです。
また自分ではほとんど力を入れていないので、どうしても飛ばないイメージが付きまといます。
確かに全力で振って真芯を食った時に比べれば飛距離は落ちますが、普段一生懸命に振って打っている距離とは遜色ないくらいの飛距離は出ますので、無理に力を入れて打つ必要はない事に気付きます。
しかも重力によって引っ張られ、柔らかく持っている事で勝手にクラブが設計通りに動いてインパクトするので必要にして十分の飛距離と、かなり高い再現性が期待できます。
自分自身、この自然落下でドライバーは220~230ヤードを打っています。
またロフト35度の7番アイアンで130~140ヤードくらいを力まずに狙っています。
またアプローチも基本的に打ち方を変えてませんので、ショットに関してはドライバーからずっと同じイメージでスイングできるのが何よりも楽です。
後はその日のランニングアプローチの精度とパッティングの数でスコアが変動する感じですね。
左膝を出してテイクバックからコック、コックをほどいてインパクト。
是非、練習してみて下さい。
少し理解ができればスコア100切りくらいなら、割とあっさり出来てしまう可能性が高いですので。