少し上手くなってきた頃に突然発生する恐怖のシャンク。その治し方は?
アイアンでボールがしっかりと打てる様になってくると、さらなる飛距離アップなどが欲しくなってくるのがゴルファーの性。
始めたばかりの頃は、カット気味で弱々しい球を打っていたのが、インサイドからしっかりと捕まったドローが打てる様になってくると、一球打つたびに楽しくなってきて、もっともっと!と飛距離を求めて振り始めます。
そんな時期に突如として出現するのが「シャンク」。
たった1球のシャンクが始まりとなり、下手するとそこから1カゴ、いや2カゴ打ってもずっとシャンクが出続ける事もあります。
ゴルフの神様が「調子に乗るのはまだ早い!」とでも言っているかの様に、呪いが掛かったかの様に「ペシャ!」「パキッ!」という悲しい音と共に右45度方向へボールが飛び続けます。
時折、強制的にシャンクを止める為、無理に手首を返して打てばフック気味の球が打てたりしますが、ストレートを打とうとするとまたシャンクが始まります。
まるで病気になったかの様に連続して続くので「シャンク病」とも呼ばれます。
シャンクはひたすら悩みますが、原因は割と単純な事です。
シャンクはホーゼルと呼ばれるネックの部分に当たる事で起きます。
裏を返せばそこにさえ当たらなければ絶対に発生しません。
つまり初心者がカットで上から左回りで打っているうちは、まず発生しません。
インパクトまでに勝手にトゥがヒールを追い越して被ってくるからです。
その時期が終わり、インサイドから振ってドローボールが打てる様になってきた頃に出現するのがシャンクです。
これが「上手くなってくるとシャンクが出る」と言われる所以でもあります。
シャンクが出やすい人のアドレス。
アドレスでターゲットに向かって、リーディングエッジを真っ直ぐにセットするタイプの方がシャンクは出やすいです。
つまり、このリーディングエッジを真っ直ぐにセットするアドレスが、正しいスクエアのアドレスの位置だと認識している人とも言えます。
リーディングエッジを真っ直ぐに構えたところから振り始めると、インパクト時までに遠心力とハンドファーストで少しフェースが開きネック部分が前に出てきます。
リーディングエッジを真っ直ぐにセットするという事は、実はフェースを少し開いてセットしている事になります。
リーディングエッジで真っ直ぐにセットしたアドレスでスイングをすると、インパクトまでに遠心力でフェースが開き、この状態になりシャンクします。

そう、ほぼシャンクの原因がコレなのです。
つまり、ネックが前に出てくる事でシャンクすると知っておけば、シャンクをほぼ撲滅する事ができます。
まあ、それでもライの状態だったり、傾斜の影響で意図せずにシャンクする事はありますが、通常のショットでシャンクをする事は無くなります。
これを知らずに、フェースを開くのを必死に握力で抑え込もうとすると、グリップに必要以上に力が入って、スイングはドンドン悪い方向に向かっていきます。
シャンクの出ないインパクトは?と言うと。

つまり、こう当たれば絶対にシャンクはしないという事です。
ヒールに当たる前に、フェース面が先に当たる事でシャンクのほとんどは防げます。
インパクトまでにヒールよりもフェース面が少しでも前にある必要がある訳です。
それではダウンスイングで手を返したりしてフェース面を前に出すのでしょうか?
いえ、もうこれに関してはアドレス時のフェース管理が全てになります。
アドレス時のフェース面の管理と、自分の中にあるフェース管理のイメージ。
初心者あるあるで、飛球線方向に対してリーディングエッジを直角にセットしてしまうというのがあります。
しかし、それではインパクトでフェース面が開いてしまうセッティングになるのです。
フェース面にロングティーをセットして、リーディングエッジを「飛球性=HONMAのロゴ」に直角に合わせると

実はこれくらいフェースが開いているのです。
これに加えてさらに遠心力でフェースが開いてくると、ネック部分が前に出てきてシャンクします。
まだ始めたばかりでヘッドスピードが低いうちや、外からカットに打っているうちは、まだシャンクまで行かずにスライスやペラペラという弱い球になるのが特徴です。
実際に飛球線方向(HONMAのロゴ)にフェース面をしっかり90度にセットすると

正しくセットすると、これぐらい被って見えます。
つまりこの様にセットしていれば、よほどフェースが開かない限りシャンクはしないという事です。
もしこれが物凄く被って見える方は、アドレスでのフェース面のセッティングを見直した方が良いと思います。
つまり、シャンクの原因は割と単純な事だったりするのです。
もっと遠くに立て…など、これ以外の理由を指摘される事が多いので注意です。
シャンクが出た際に「アドレスがボールに近く立つからだ。」などと、別の理由を言われる事があります。
しかし、いくらアドレスでボールから遠くに立ったとしても、インパクトの瞬間にボールにヘッドが届かないと感知すれば、体が反応してヘッドを出していく事になります。
その時にフェースが開いてネックが出ていれば当然シャンクします。
ヒールに当たるからと言って、その分離れれば良いという単純なものではありません。
実際にやってみても一向に直らなかった事がほとんどではないでしょうか?
もしこの様な指摘をしてくる人がいたら、ゴルフスイングとフェースの管理に関して、あまり深く理解していない人だと思った方が良いかもしれませんね。
開いて構えて閉じながら打つくらいなら、被せて構えて開いて打つ方が良いです。
シャンクというより、ゴルフスイング自体に言える事ですが、リーディングエッジで構えて(つまり開き気味)インパクトに向けてフェースを閉じながら打つのは、遠心力でフェースが開く方向に動くゴルフスイングの自然な動きに逆らう動きになります。
それであれば、若干被せ気味(正しいセットでも良いですが、それより少しだけ被せる)にアドレスして、体を思いっきり左に開きながら打つ練習をした方が正しいスイングが身に付きます。
基本的に体もフェースも開きながら打つのですが、どうしてもアドレスの段階でフェースが開いていると、それ以上はスライスが怖くて体を開けなくなります。
シャンクの原因の一つにもなりますが、実は何年やっていてもゴルフが上手くならない原因の一つに、アドレスで既にフェースが開いているという事に気付いていない人が多いです。
しかも、自分ではリーディングエッジでしっかりターゲットに対して真っ直ぐに構えているつもりなので、フェースが開いていると認識していない事も多いです。
いくらその後に、グリップの持ち方や体の使い方、体の軸、腕を返す返さない…など他の部分を試行錯誤しても、基本的なスタート部分が間違っていたら成長は著しく低下します。
挙句の果てにシャンクの原因にもなります。
右回りのスイングも身に付けつつ、悪夢の「シャンク」も撲滅させるには、ややフェースを被せ気味にアドレスするのがコツです。
そして、段々と強めのフックが出る様になってきたら、少しずつアドレス時のフェースを開く方向に調整して行き、引っ掛からずにしっかりと捕まった強い球が出るフェース面の角度を練習で探してみて下さい。
基礎を固めてから練習した方が絶対に上達の近道です!!
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